枝豆の主な栄養素について
枝豆は大豆の未熟豆のことを指し、豆と野菜の両方の栄養的利点を持った緑黄色野菜です。
「畑の肉」といわれる大豆同様、エネルギー、脂質、良質なたんぱく質に富んでいます。ビタミン類、食物繊維やカルシウム、鉄分など多くの栄養素を含んでおり、大豆には少ないβ-カロチンやビタミンCを含むのが特徴です。
詳しくはこちら 枝豆の栄養素について
夏バテ防止・疲労回復に効果的
他の野菜と比較して、枝豆に多く含まれるビタミンB1とB2は体内で糖質・脂質・たんぱく質などを分解してエネルギーに変える効果があります。
さらに高血圧の原因となるナトリウム(塩分)の排出を助け、利尿作用を促すカリウムを多く含んでいるため、体内の水分量を調節し、むくみの解消にも効果的に働きます。
夏バテの原因である食欲不振から来る栄養不足の解消や、疲労回復に大変効果的なのです。
「ビールには枝豆」の理由
枝豆のタンパク質に含まれるアミノ酸の一種「メチオニン」はビタミンB1、ビタミンCと共にアルコールの分解を促し、肝機能の働きを助けてくれるため、飲み過ぎや二日酔いを防止する働きがあります。
夏場にビールのつまみとして好まれて食べられているのはこのような理由もあります。
ビールに合う、枝豆のおいしいゆで方はこちら 枝豆のゆで方
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枝豆の栄養素について
食品100g当たり | 生 | ゆで | 冷凍 |
---|---|---|---|
エネルギー (㎉) | 135 | 134 | 159 |
水分 (g) | 71.7 | 72.1 | 67.1 |
たんぱく質 (g) | 11.7 | 11.5 | 13 |
脂質 (g) | 6.2 | 6.1 | 7.6 |
炭水化物 (g) | 8.8 | 8.9 | 10.6 |
無機質(ナトリウム) (㎎) | 1 | 2 | 5 |
無機質(カリウム) (㎎) | 590 | 490 | 650 |
無機質(カルシウム) (㎎) | 58 | 76 | 76 |
無機質(マグネシウム) (㎎) | 62 | 72 | 76 |
無機質(リン) (㎎) | 170 | 170 | 190 |
ビタミンA(レチノール) (㎍) | (0) | (0) | (0) |
ビタミンA(カロテン) (㎍) | 260 | 290 | 180 |
ビタミンA(レチノール活性当量) (㎍) | 22 | 24 | 15 |
ビタミンE α (㎎) | 0.8 | 0.6 | 1.2 |
ビタミンE β (㎎) | 0.1 | 0.1 | 0.2 |
ビタミンE γ (㎎) | 6.5 | 5.8 | 8.2 |
ビタミンE δ (㎎) | 2.5 | 2.1 | 3.8 |
ビタミンK (㎍) | 30 | 33 | 28 |
ビタミンB1 (㎎) | 0.31 | 0.24 | 0.28 |
ビタミンB2 (㎎) | 0.15 | 0.13 | 0.13 |
ビタミンC (㎎) | 27 | 15 | 27 |
食物繊維 (g) | 5.0 | 4.6 | 7.3 |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
※枝豆はサヤごと茹でるので、茹でてもカロリーなどの栄養成分はそれほど変わることはありません。
大豆アレルギーの方は要注意!食物アレルギーについて
食物の摂取でアレルギー症状が出現する場合を食物アレルギー(食品過敏症)といいます。
アレルギー反応により口唇、口腔粘膜の接触皮膚炎様の症状から気管支喘息、蕁麻疹、胃腸障害を引き起こすものまで様々な食物アレルギー症状が見られます。時には血圧低下、顔面蒼白、呼吸困難、意識混濁など生命にかかわる急激な全身のアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を起こす場合もあります。
卵、牛乳、大豆が食物アレルギーの3大原因物質と言われていますが、小麦、米を含めて五大食物アレルゲンとも呼ばれます。
枝豆は大豆の未熟豆ですので、大豆アレルギーの方は注意が必要です。
大豆アレルギーの原因と症状
大豆は、豆腐や醤油、味噌などの原料ですので、日本人にとって非常に身近な食物といえます。大豆の成分で大豆アレルギーの原因となるタンパク質は、ピーナッツ、そら豆、えんどう豆にも共通しており、大豆に似ている豆類にも注意が必要ということになります。
大豆アレルギーは、卵アレルギーや牛乳アレルギーなどと同じように、乳幼児からはじまり学童期に入る前には解決する場合が多く、症状としてはアナフィラキシーショックや喘息を伴うことは極めて希です。
大豆は、加熱してもアレルギーを起こす力は弱くならないといわれていますが、納豆や豆腐などの大豆加工品はアレルギーを起こす強さが弱まります。
但し、大豆アレルギーがあれば、個人差はありますので、注意は必要です。
予防・治療法
効果的な予防、治療方法としては対象となる食物の摂取をやめる、食事療法などが基本的な方法です。
しかし、大豆は日本人の食生活において欠かせないものなので除去治療は非常に大変です。
- 乳児の大豆アレルギーの食事療法
- アレルギー症状を起こす大豆製品を除去、味噌、醤油の開始を遅らせ、大豆油を避ける。
- 授乳中の母親の大豆アレルギーの食事療法
- インスタント食品、スナック菓子の摂取をできるだけ減らす。
※ ご注意ください
上記を実行して完全に予防・治療できるというというものではありません。あくまで予防、治療の一部の方法としてご参考ください。
大豆アレルギーの原因となる主な食材
大豆、おから、枝豆、ナッツ、ピーナッツバター、
食物油(大豆油、ごま油)、スナック菓子、揚げ物、きなこ、
小豆、豆腐、豆乳、グリーンピース、インゲン豆、納豆、味噌、
醤油、もやし、サラダ油、コーン油、市販の油、油あげ、チョコレート、ポテトチップス、えびせんべい等