
枝豆として栽培されているものは大きく分けて3種類あり、種皮やサヤのうぶ毛の色の違いから、「白毛豆(青豆)」「茶豆」「黒豆」に区別されます。
毎年多くの種苗会社で新品種の開発が行われており、3つに区別されたなかでも数多くの品種が存在しています。また、異なる品種を掛け合わせることにより誕生する、第4の種類も数多く存在します。
各品種にはそれぞれ特徴があります。味は勿論、粒の大きさや、サヤや茎を被っているうぶ毛の色、早生か晩生かという収穫時期の違い等、現在では枝豆専用の品種が400品種以上あるといわれています。
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また全国各地には在来品種(地場品種)と呼ばれる、特定の地域で昔から栽培されてきた枝豆があります。それは地域の農家によって代々受け継がれてきた品種であり、その地域でしか味わえない希少価値のある枝豆です。
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枝豆 白毛豆(青豆)

国内で最も流通しており、癖がなく万人受けする一般的な種類の枝豆です。
サヤのうぶ毛が白いものが多く「白毛豆」と呼ばれ、また種子の状態で、通常の大豆色もしくは薄い緑色をしたものを総じて「青豆」とも呼びます。
主要産地は関東地方ではありますが、全国的に栽培されているのが特徴でもあります。一般的には、サヤは鮮やかな緑色、白色のうぶ毛が生え、節と節の間が狭く一つのサヤに2~3 粒の豆が入っているのが特徴です。
早生か晩生、うぶ毛の色、粒の大きさ等の違いで様々な品種が存在します。
白毛豆のブランド枝豆として、毛豆(けまめ)、小糸在来®(こいとざいらい)、はねっ娘会(はねっこかい)の枝豆などがあげられます。
枝豆 茶豆

一般の枝豆は関東地方の生産が多いのに対し、茶豆は東北地方が生産の中心になります。
外見は普通の枝豆ですがサヤの中の豆が茶色の薄皮を被っていることから茶豆と呼ばれています。2粒サヤが主体の品種であり、3粒以上のサヤはほとんどありません。
収穫の時期は8月上旬から9月中旬と白毛豆よりもやや遅い品種が多く、白毛豆より糖類を多く含むため、強い甘味と独特の風味があり、茹でたてはスイートコーンに似た強い香りがするのが特徴です。
茶豆のブランド枝豆として、だだちゃ豆(だだちゃまめ)、
黒埼茶豆(くろさきちゃまめ)などがあげられます。
枝豆 黒豆

関西地方で多く栽培されており、京都の丹波地方等に代表される丹波の黒豆が有名ですが、一般的には正月用の煮豆等に使用されています。
枝豆としては、黒大豆が成熟して黒豆になる前の若いものを収穫します。サヤの中で黒くなる前の状態のため、サヤの中の薄皮がうっすらと黒みを帯びています。大粒の豆と黒豆特有の深い甘味と凝縮されたコクが特徴です。
旬は茶豆よりもさらに遅い9月下旬から10月中旬と収穫時期が短く、生産量も少ないため、あまり市場に出回ることはありません。
黒豆のブランド枝豆として、紫ずきん(むらさきずきん)、
丹波篠山黒大豆(たんばささやまくろだいず)などがあげられます。
枝豆の主な品種
枝豆の品種名 | 種類 | 早晩性 | 品質特性 | 主な 生産地域 |
種苗会社・ 来歴 |
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サッポロミドリ | 白毛豆 | 早生~中生 | 白毛、粒莢多 | ほぼ全国 | 雪印種苗 サイトを見る |
奥原早生 (おくはらわせ) |
白毛豆 | 早生 | 大莢 | 北海道 | 在来種 |
錦秋 (きんしゅう) |
白毛豆 | 中晩生 | 大莢、白毛、多収 | ほぼ全国 | 武蔵野種苗園 サイトを見る |
湯上り娘 (ゆあがりむすめ) |
白毛豆 | 中早生 | 白毛、多収 | 主に東北、 北陸 |
カネコ種苗 サイトを見る |
緑碧 (りょくへき) |
白毛豆 | 極早生~ 早生 |
3粒莢多 | 愛媛県 | カネコ種苗 サイトを見る |
秘伝 (ひでん) |
白毛豆 | 晩生 | 大粒、白毛 | ほぼ全国 | 佐藤政行種苗 サイトを見る |
サヤムスメ | 白毛豆 | 中生 | 大莢、白毛 | ほぼ全国 | 雪印種苗 サイトを見る |